味だけじゃなく熟成場所もクセが凄いロックフォール
前回の投稿から暫くですがナチュラルチーズ熱はなお沸騰中です。
本日ご紹介するナチュラルは世界三大ブルーチーズの一つ、ロックフォールです。
ロックフォールはフランス産の青カビタイプのチーズになり原乳料は羊のミルクです。
最低3ヶ月の熟成期間を持つのですが、熟成場所にとてつもない癖があるチーズです。
自然界で熟成されるロックフォールをご紹介します。
ミディ・ピレネー圏の岩山の洞窟
ロックフォールはフランス南部で生産されるフランス最古のチーズの一つです。
早速ですが前出で申し上げた熟成場所をお伝えします。
何とロックフォールはチーズ作りの最後の工程「熟成」を洞窟内で施します。
石灰岩の岩山にできた洞窟で熟成するのですが、洞窟内はチーズの熟成に最適な9℃、湿度90%を一年中キープしています。
現在は、洞窟内をいくつかに区切りロックフォールの特別な青カビ「ペニシリウム・ロックフォルティ」が繁殖し最低3ヶ月熟成させます。
ブルーチーズは断面を見ると至る所に穴が見受けられます。
これは青カビを繁殖させるための空気の通り道で、チーズ職人による仕掛けとも言えます。
そして、この洞窟の山の名前はコンバルー山といい、ロックフォールは必ずコンバルー山の洞窟内で熟成させることが義務付けられているそうです。
ロックフォールの舌触りが変わる内と外
原乳料が羊のミルクで味わいに独特のクセがあるのではないかと危惧していました。
しかし、それは取越し苦労で強い塩味と程良い青カビの刺激にミルクの微かな甘みが感じられました。
内側と外側でナイフを入れた時の力加減に違いがあり、前者はサクッと後者はグッと右手にかける力が変わったので食感も2タイプでした。
咀嚼を必要とせず舌と上顎で口溶けを求める方は中心から内側が絶品です。
歯応えから味わいを求める方はその逆で中心から外側をかじりましょう。
NO咀嚼の内側は青カビの低刺激とミルクのクリーミーさ、歯応え外側は強烈な塩味が堪能できます。
<貴腐ワインが好相性>
ブルーチーズ単品で食べるには刺激が心配な方もいらっしゃるはず。
そんな方には肉料理やサラダのトッピング、ワインでは貴腐ワインが良い模様。
焼肉タレの味付き牛にロックフォールをのせて食べたら美味しかったです。
サイコロ状にカットしてトマトサラダなどアレンジしても良さそう!
チーズのカッティングに隠された秘密
熟成期間を持つナチュラルチーズには内側と外側が存在します。
しかし、私たち消費者は日頃からカッティングされたチーズを食卓で囲むので、なかなか内部と外部を意識することはありません。
カッティング前のナチュラルチーズの形状は円柱形に成形され、ホールケーキをイメージして頂くとわかりやすく、私たち消費者に届く前に職人もしくは販売員によって切られます。
店頭で見るチーズは100gというコンパクトサイズで様々な形状で包装され並んでいます。
チーズの熟成は原則的に内側から外側にかけて進むのですが、ロックフォールはその逆です。
その内側と外側の両方の味わいを受けられるカッティングがショートケーキ状の三角形なのです。
ですので、三角形にカッティングされたチーズは内部熟成と外部熟成の両面の味わいに触れることができます。
参考